中高年者のスポーツと脊柱管狭窄症

中高年者のスポーツと脊柱管狭窄症

「脊柱」とは、いわゆる背骨の事で、上半身を支えています。
背骨にある空間(管)を「脊柱管」といい、脊髄や神経の束の通り道となっています。

この脊柱管が狭くなり、中の神経を圧迫して様々な症状を引き起こすことを「脊柱管狭窄症」といいます。

脊柱管が狭くなる要因は様々ですが、加齢によるものが多い事は確かです。
50歳を過ぎて健康の為と思って始めたテニスやゴルフで、脊柱管狭窄症になる事があるのです。

50歳を過ぎると、背骨を構成する椎骨と椎骨の間にある椎間板は、水分が少なくなりかなり変性していると考えられます。
変性して弱体化した椎間板は、負荷により簡単に骨と骨の間から押し出されて、脊柱管に少し飛び出してしまうことがあります。

そのような危うい状態になっている時に、腰を回転させるテニスやゴルフなどのスポーツを急に始めてしまうと、激しい動きに耐えるため骨が大きく成長したり、また骨と骨をつないでいる靭帯も厚くなってしまうのです。
その結果、脊柱管が狭くなり、神経の束を刺激し始めるのです。

神経の中には排泄を司る神経もあり、それらが障害を受けると頻尿になり、たびたび尿意を感じるようになるなどの排泄障害が起こります。

脊柱管狭窄症は、腰そのものには痛みを感じない場合があり、頻尿の問題が脊椎由来のものかどうかがわからないというのが厄介なのです。

患者は尿の問題なので泌尿器科を受診するため、脊柱管狭窄症を発見できない事があるのです。
背骨に関する治療をしないで、スポーツをそのまま続行すれば、脊柱管はさらに狭くなり、神経の束をますます圧迫するようになります。

神経障害が酷くなると下肢が痺れるようになり、歩行障害も起きてきます。
日常生活が持続できないほど重症化することがあり、そのような場合には手術が必要となってきます。

50歳を過ぎての急なスポーツにはこのようなリスクがありますので、要注意です。
実は50歳以上の男性の80%、女性の60%に何らかの腰の骨の異常が見つかっていまので、「自分だけは大丈夫!」と思わない事が大切です。

女性の場合、骨粗しょう症も大きく関係しますので、とにかく急激に激しい動きをともなうスポーツは避けた方が良いでしょう。