脊柱管が狭窄している場所によって症状が違う

脊柱管が狭窄している場所によって症状が違う

脊柱管は、 腹側である前方を椎体と椎間板、側方を椎弓根、背側である後方を椎間関節や椎弓、棘突起(きょくとっき)から成り立っています。
これら前方、側方、後方の各要素に取り囲まれた内部スペースの連なりが脊柱管です。

脊椎の安定性を維持する為に、脊柱管内前面に後縦靭帯、後面に黄色靭帯が支持組織として存在しています。

脊柱管を構成する脊椎や黄色靭帯の変性肥大、また椎間板の変性が原因で、脊柱管の中を通っている神経が圧迫を受け、痛みや痺れといった症状を発する状態を腰部脊柱管狭窄症といいます。

腰部脊柱管狭窄症は加齢が原因であることが多く、70才以降の老人に多いのが特徴です。
一方、先天的に脊柱管が狭く、そのまま正常より狭く成長した人の場合は、椎間関節や黄色靭帯の変性肥大、椎間板の膨隆などによって脊髄神経が圧迫を受け、 30~40歳代の比較的若年で発症する場合もあります。

腰部脊柱管狭窄症は脊椎や黄色靭帯の非可逆的(一度変性を起こすと元に戻らない)な進行性の形態変化により神経が圧迫される為、症状は加齢に伴って次第に悪化していきます。

腰部脊柱管狭窄症は、以下の三つの型に分けられます。

【中心管狭窄症】

狭窄の存在部位から「内側型」と呼ばれます。
脊柱管の中心部で狭窄がおこっていて、馬尾神経の束を圧迫する事が多く「馬尾型」とも呼ばれ、間欠性破行の症状が現れてきます。
両側性の間欠性跛行(左右両方の足が痛む)の症状が現われます。

間欠性破行は、数100mあるいは数10mを歩くと両下肢のしびれが強くなり、歩けなくなり、腰を前かがみにしてしばらく休むとまた歩けるようになるというものです。

「中心管狭窄症」は馬尾神経が圧迫を受ける為に重症化することが多く、特異的な症状として膀胱機能障害や排便機能障害があらわれる事があります。 

【外側陥凹狭窄症】

脊柱管の外側で主に圧迫されるタイプで「外側型」と呼ばれたり、神経根の障害により症状がでますので、「神経根型」とも呼ばれます。

坐骨神経痛の症状が強く、間欠跛行も下肢痛が中心です。

【椎間孔狭窄症】

脊柱管を通っている神経が、椎骨の間から出ていくのですが、その神経の出口を
椎間孔(ついかんこう)といいます。

椎間孔が狭まって神経を圧迫するのを椎間孔狭窄症といい、この場合は左右どちらか圧迫されている方に症状が出ますので、間欠跛行も下肢痛も片側となります。

以上、全ての型において下肢にしびれや冷感を自覚し、進行すると知覚障害や運動麻痺、筋萎縮が見られるようになります。

腰部脊柱管狭窄症に特徴的な症状は間欠性跛行です。
腰部脊柱管狭窄症の患者さんは、歩いて遠出ができないという事になり、ひどくなると家の中の移動さえ困難になります。

しかし、自転車に乗ると姿勢が前かがみになるため痛みが緩和されます。
自転車に乗れる方は、自転車での移動が可能という事になります。

前述のように、腰部脊柱管狭窄症の患者さんは高齢者が多く、病院へ行く事をためらう方がいらっしゃるため、重症化してしまう事が多いのです。

周囲の方の配慮が必要となりますが、腰痛がある場合には早めの対処をする必要があります。