腰部脊柱管狭窄症

腰部脊柱管狭窄症

脊柱管が狭窄する原因は先天的な要因もありますが、主に加齢により変形性腰椎症が進み、固く膨らんだ椎間板や腰椎の変形で起こります。

脊柱管が狭窄されると、その中を走っている中枢神経が圧迫されて、腰痛や脚のしびれ、痛み、知覚・筋力低下などの神経症状を発症します。それが腰部脊柱管狭窄症です。

腰部脊柱管狭窄症の症状は、間欠跛行、両下肢のしびれ、冷感、知覚や筋力の低下、膀胱障害などです。

間欠跛行とは腰部脊柱管狭窄症の特徴的な症状で、歩いていると下肢痛を生じて歩けなくなり、しゃがんで少し休むとまた歩き始められるというものです。
間欠跛行は、閉塞性動脈硬化症(動脈硬化で下肢への血流が悪くなった状態)でも現れます。

腰部脊柱管狭窄症の場合であれば、
・跛行距離が一定していない。
・下肢の知覚・筋力低下を伴う。
・押し車を用いた前傾姿勢での歩行や自転車であれば痛みを生じない。
・疼痛出現後の休憩時間が数分間と短く、前屈位で休息を取ると特に効果的がある。
などといった特徴があります。

閉塞性動脈硬化症であれば
・跛行距離が一定している。
・身体の前屈では痛みやしびれなどの症状は緩和されない。
・自転車に乗るのが困難である。
・腕と足首の血圧を測り、その差が腕に比べ足首の血圧が低い。
などといった特徴があります。

診断・検査
腰部脊柱管狭窄症の病院での診断では、痛みやしびれ、神経症状などを中心とした診察やX線検査を行い、必要な場合に応じて細かな情報を得る為に、骨以外の状態がわかるCT検査やMRI検査を行います。造影剤を使う場合もあります。

治療
薬物内服治療は、神経の血行をよくするプロスタグランジン製剤やビタミンB12が処方されます。
内服薬や湿布薬でも症状が軽減されず、痛みで我慢できない場合には、消炎鎮痛剤を用いたり、ブロック注射(腰やその周辺の神経の通り道への局所麻酔薬の注射)を行います。

狭窄が酷く圧迫が強いために、知覚の完全麻痺、下肢の強い痺れ・麻痺、排泄が困難になる酷い膀胱障害がでた場合は、手術が検討されます。

また、強い神経症状がなくても、しびれや痛みのために長く歩けないなど、保存治療を続けてもつらい症状が長く続き、画像検査でも強い圧迫が見られる場合は、積極的に手術を行なうほうが良いと思われます。
発症してから時間がたつと手術で神経の圧迫を取り除いても、神経症状が戻らないことがありますので、このような場合には医師も積極的に手術を進めることになります。

腰部脊柱管狭窄症の手術は、骨を削って神経の通り道を広げる、腰椎椎弓切除術が中心となります。
腰椎にぐらつきがあれば、金属のスクリューやプレートで固定することもあります。
狭窄の程度によっては、近年では負担の少ない内視鏡手術を行う病院も増えてきています。