腰部脊柱管狭窄症・・痛みの軽減に漢方薬

腰部脊柱管狭窄症・・痛みの軽減に漢方薬

腰部脊柱管狭窄症の原因治療としては、手術によって狭くなった脊柱管を広げる方法があります。
しかし、手術にはリスクがありますし、手術の結果がすべて順調にいくとは限っておらず、手術をしても症状があまり改善しない場合もあります。

その為医師は、まず痛みを改善する対症療法(保存療法)を行い、その効果が思わしくない場合に手術を行うという順序で治療を進めることが殆どです。

保存療法としては、鎮痛薬やシップなどの薬物治療、超音波で患部を温めるなどの温熱療法、注射による神経ブロック(神経伝達を遮断し止痛を行う方法)、などが行われます。

漢方療法は薬物療法として用いられ、痛みの軽減などに効果を現すことがしばしばあります。
漢方薬は年齢や状況によって、各個人にあわせて調合されます。

よく使われるものとして
・当帰四逆加呉茱萸生姜湯(とうきしぎゃくかごしゅゆしょうきょうとう)
当帰、桂皮、芍薬、細辛、呉茱萸、生姜、木通、甘草、大棗の9種類の「生薬」の組み合わせでできています。
当帰四逆湯という冷えを取る薬に、さらに冷えを取る作用の強い呉茱萸と生姜を加えた処方です。
血行をよくして、体をあたためる作用があり、冷えによる痛みをやわらげます。
具体的には、しもやけ、頭痛、下腹部痛、腰痛などに適応し、冷え症で、とくに手足の冷えが強く、体力が弱いタイプの人に向く処方です。

・芍薬甘草湯(しゃくやくかんぞうとう)
芍薬と甘草の組み合わせでできています。
漢方の代表的な痛み止めで、漢時代の「傷寒論」という古典書に載っているシンプルな処方ですが、今でもよく使われています。
体質にはそれほど関係なく使う事が出来て、各種の痛みに広く用いることができます。
芍薬甘草湯に附子を加えた芍薬甘草附子湯(しゃくやくかんぞうぶしとう)は、痛みが強くて歩きにくい人に効果が大きいようで、今まで杖がないと歩けなかった人が、杖がなくても歩けるようになる薬とされ別名「去杖湯(きょじょうとう)」とも呼ばれています。 
芍薬も甘草も、冷えからくるけいれんや腹直筋の緊張による痛みやこむら返りなどを和らげる作用があります。
当帰四逆加呉茱萸生姜湯も芍薬甘草湯も、附子は医師の処方せんがないと入手できません。 
また、注意点は、胃腸が弱く、食欲不振や吐き気、嘔吐や下痢などを起こしやすい人は注意が必要だという事、甘草含有製剤、グリチルリチン(グリチロン等)などとの飲み合わせで、「偽アルドステロン症」の副作用がある場合があるという事です。

・八味丸(はちみがん)
水分と血液の循環をよくし、座骨神経痛の改善に効果的です。
八味丸は、単独よりも、前述の2つの処方とそれぞれ組み合わせて服用するのが効果的です。
体力が衰えている「虚証」向けの方用ですので、体力が充実し暑がりで、のぼせのある人には不向きです。

・疎経活血湯(そけいかつけつとう)
関節痛・筋肉痛・神経痛・腰痛などに用いられます。特に、腰より下に症状が出る者に有効です。
虚弱なタイプではなく、どちらかといえば、頑強なタイプ人用です。

服用の方法ですが、初めに当帰四逆加呉茱萸生姜湯を、次に芍薬甘草湯を1ヵ月ずつ服用してみてください。
そのどちらかがよく効くならそれを続け、どちらも思わしくないようであれば、それぞれに八味丸を組み合わせてみて下さい。
朝夕に当帰四逆加呉茱萸生姜湯あるいは芍薬甘草湯を服用し、昼に八味丸を服用するという方法です。

これらの漢方薬で、腰部脊柱管狭窄症が原因である座骨神経痛は改善され、歩くこともできるようになるでしょう。