腰部脊柱管狭窄症の「棘突起縦割椎弓切除術」

腰部脊柱管狭窄症の「棘突起縦割椎弓切除術」

腰部脊柱管狭窄症は、約70%は手術によらない保存療法で症状が軽快に向かいますが、保存療法を試みても症状がおさまらない方や、排泄障害などが強く日常生活に支障をきたしている場合は手術治療が勧められます。

通常の腰部脊柱管狭窄症の手術は、棘突起から筋肉を剥がして椎弓を露出させて切除します。この場合、狭窄が多椎体に及んでいる場合は骨から筋肉を剥がすのが広範囲となりますので、術後の痛みが強く、且つ長い期間の安静が必要となります。

したがって狭窄症が多椎体に亘る場合は、棘突起を縦に割ることで骨から筋肉をほとんど剥がさないように手術を行います。この手術方法を「棘突起縦割椎弓切除術」と言います。

「棘突起縦割椎弓切除術」は骨から筋肉をほとんど剥がさないで済みますので、術後痛は少なく、筋肉の萎縮もほとんどありません。また不安定な骨同士をしっかり結びつけますので、手術の翌日から歩行が可能となります。

「棘突起縦割椎弓切除術」は神経が全体的に狭窄されている馬尾型、混在型の脊柱管狭窄症に有効です。また狭窄部位が2椎弓という場合は、顕微鏡下術にすることで切開の大きさも小さくできるというメリットもあります。

「棘突起縦割椎弓切除術」を行った場合の入院期間はおよそ1週間と短く、仕事への復帰も早まります。またこの手術は出血も少ないので、輸血の必要もありません。

ただし「棘突起縦割椎弓切除術」は内視鏡術と同様に不安定性が強いことから、除圧のみではなく固定術が必要となるケースには向きません。また太っている方は創部がどうしても大きくなりますし、手術する椎弓が多いと、そのぶん切開する部分も大きくなります。

「棘突起縦割椎弓切除術」を選択するかどうかは医師の判断となりますが、早い仕事復帰が必要となる方は、担当医と相談してみることもひとつでしょう。