腰部脊柱管狭窄症は、腰部の脊柱管内を走っている神経が圧迫されることによって、腰痛やしびれを生じる疾患です。
神経が圧迫される原因は、外部からの圧迫やすべり症、加齢などによる変性等様々な要因で脊柱管の内部が狭くなる為と考えられています。
脊柱管狭窄症はその症状から、他の腰痛症のように坐骨神経痛と表現されることもあるのですが、脊柱管狭窄症は、間欠跛行という極めて特徴的な症状を呈しますので、他の腰痛症とは区別がつきやすいといえます。
脊柱管狭窄症の代表的な症状である間欠跛行とは、歩行障害の一つで歩いているうちに脚がしびれ出して、歩くことが困難になります。
歩くのをやめて休まざるを得なくなり、腰を屈めてしばらくの間休んでいると、しびれがおさまるのでまた歩き始めます。
しかし、しばらく歩くとまた強いしびれに襲われ、足を止めて休んでしまいます。
それを繰り返さなくては距離が歩けないという状態になります。
歩行可能時間は脊柱管狭窄の程度によっても違いますが、10分程度歩ける方もいれば、2~3分もするとすぐ歩けなくなるという方もいるようです。
通常、脊柱管狭窄症の症状が進行していくと、歩ける時間は短くなっていきます。
脊柱管狭窄症は高齢者に多い疾患で、お年寄りがシルバーカーなどを押して歩いているのを良く見かけます。
脊柱管狭窄症は前かがみの姿勢の状態では、症状が和らいできます。
そのため、なかには「歳のせいでの神経痛」と自己判断して治療を受けずに脊柱管狭窄症を見過ごしてしまうこともあります。
また、お年寄りは周囲に迷惑をかけたくないと思われることもよくあり、医師の診察を受けない事もありますので、まわりの方が注意してあげることも必要です。
またこの間欠跛行という症状は、脊柱管狭窄症以外に閉塞性動脈硬化症でも現れてくる症状です。
閉塞性動脈硬化症も高齢者に多い病気ですから、原因となる疾患が何かを見極める必要があります。
いずれにしても歩行障害に近い症状があらわれた場合は、早期に病院で診断を受けなければなりません。
脊椎管狭窄症の原因で、一般的にいわれているもので、先天性や発育過程における狭窄があります。しかしこれは非常にまれなケースといえます。
原因としては後天性の狭窄によるものが圧倒的に多く、変性による狭窄やすべり症なども原因となっています。
さらに、先天性、発育性、変性、ヘルニアなどが併発して狭窄を起こしている混合症や、脊椎の手術後に見られる医性の脊椎管狭窄症などもあります。
直接の原因としては以上のようなことが考えられます。
しかし、脊椎管狭窄症は骨の病気ではありません。
脊椎管狭窄症の原因の源は筋肉の運動不足であり、脊椎管を支えている筋肉を使わないための機能衰退です。
近年の生活は運動不足を招く環境にあり、その為筋肉が衰えて機能不全になる事も否めません。
筋肉を日頃から使っていないために筋力低下が進み機能不全を起こしてしまいます。
特に、骨盤を安定させ、脊椎を支えてバランスを保つ役目をするお尻の筋肉が低下すると、脊柱管内の脊椎神経もしくは、馬尾神経、神経根が圧迫を受けやすくなり、阻血や欝血状態を起こし腰痛を発症します。
脊柱管狭窄症は高齢者に多く発症するのですが、最近では生活習慣の変化などによる栄養不足、運動不足などから、比較的若い年齢層の方でも脊柱管狭窄症になる傾向があります。
筋肉が健康であれば、脊椎管狭窄症の原因となる後天性の狭窄は防ぐことができます。
また、先天性のものだとしても、筋肉に力があれば悪化を防ぐことができるのです。
このように筋肉の健康状態は腰痛にはとても大きな要因となりますので、日常生活を見直し、筋力アップを図ることが重要です。
腰部脊柱管狭窄症は、保存治療で回復を図ることがほとんどですが、症状が酷くて日常の生活が困難になった場合や、排泄障害などの神経症状が出てきた場合に手術が行われます。
脊柱管狭窄症の手術には、いくつかの方法があります。
手術は基本的には狭くなった脊柱管を拡張し、神経への圧迫を取り除くこと(除圧)を目的に行われますが、腰痛のレベルや痛みの強い箇所などによって、それぞれに適した手術方法が選択されます。
手術の内容によって手術後の生活も変わりますが、一般的な手術方法で行った場合は、手術直後はまず腰椎コルセットを装着し、主治医の許可があるまで安静にします。
脊椎固定術を行った場合は、骨癒合するまで硬い材質のコルセットを装着します。
症状の程度や内容によって異なりますが、早ければ手術後2日目からは、歩行器を使って病室内歩く練習を始め、徐々に歩く距離をのばしていきます。
手術前はしびれや痛みで体を動かすことができなかったことから筋力が弱っています。
リハビリテーションは腰痛の再発を予防することを目的として、歩く練習や体操をして筋肉を鍛え、筋力を回復します。
回復には個人差がありますので、リハビリテーションの開始時期も、主治医の判断に基づきます。
退院後のリハビリテーションについては、主治医の指示に従うようになります。
主治医から特に指示がなかったときは、無理のない程度の歩行練習や軽い散歩を行うといいと思います。
腰痛体操などは腰に負担のかかる可能性がありますので行わないでください。
後縦靭帯は、脊椎椎体の後縁を上下に連結し、脊柱を縦走する靭帯で、それが骨化し増大する疾患を後縦靭帯骨化症といいます。
後縦靭帯骨化症になると、脊髄の入っている脊柱管が狭くなり、脊髄や脊髄から分枝する神経根が圧迫されて知覚障害や運動障害等の神経障害を引き起こします。
骨化する脊椎のレベルによってそれぞれ頚椎後縦靭帯骨化症、胸椎後縦靭帯骨化症、腰椎後縦靭帯骨化症と呼ばれます。
東洋人、なかでも日本人に多くみられ、糖尿病や肥満体型の人におこりやすい傾向があります。
後縦靭帯は、脊髄の通り道である脊柱管の前壁にあるためこの靭帯が骨化して、年齢とともに厚みを増してくると、脊柱管が狭くなって脊髄の圧迫症状をおこすことになります。
年齢とともに発生頻度が増し60歳以上では、約一割の人にみられるという報告もあります。
腰椎後縦靭帯骨化症は腰椎の後縦靭帯が骨に変化し増えていくケースです。
腰椎後縦靭帯骨化症は他の骨化症と比べると発症率は比較的少なく、また症状も軽い場合が多いようです。
病気の原因については多方面にわたり研究されていますが、明らかな原因は不明で難病に指定されています。
遺伝、性ホルモンの異常、カルシウム・ビタミンDの代謝異常、糖尿病、肥満、老化、全身的な骨化傾向、骨化部位における局所ストレス、またその部位の椎間板脱出などいろいろな要因が考えられています。
後縦靭帯が骨に変化した段階でスグに生活に支障がでることはありませんが、症状が重くなるにつれて、痛みの他痺れ感や麻痺などが起こり、日常生活に支障が出てくる可能性があります。
腰椎後縦靭帯骨化症の病状が進行すると腰部脊柱管狭窄症の症状が出てくることが多く腰部脊柱管狭窄症として診断・治療されることもあります。
しかし、腰痛、坐骨神経痛などの痛みの程度や症状などはさまざまです。
腰椎後縦靭帯骨化症は薬物療法、装具療法、理学療法など保存的治療を行う事が多いのですが、症状が重く、神経症状がある場合は腰椎を固定したり安定度を保つなどの手術を行うこともあります。
自分の信頼できる病院を探すのはよいことですが、一度信頼できると思ってしばらく治療を受けてみて、効果がないと思い病院を変えてしまうなんてことがあるかもしれません。これはあまり積極的に行わないほうがよいでしょう。病院によって治療の方法が大きく異なるということは少なく、また脊柱管狭窄賞の場合劇的によくなるということは手術など以外ではあまりないと言えます。そのため同じような治療を病院を変えても続けていく可能性は高いでしょう。逆にそれまでの経緯がなくなってしまうことになるので、その分余計な遠回りをしなければいけなくなってしまうこともあります。病院からの紹介であれば、一緒にそれまでの症状などの情報も回してくれることになるので、その場合に限ってはその心配をする必要はないと言えるでしょう。
一度病院を変えることに慣れてしまうと、その後すぐに病院を変えることに抵抗を持たなくなってしまうこともあります。そうなると当然効果を期待することは難しくなってしまうでしょう。
治療をしているときに、劇的な変化があるとしっかり治っていると感じやすくなるものです。しかしそのようなことはあまりないと言えるでしょう。大怪我の場合治っていく実感があることもありますが、それは怪我が大きく、意識しやすいということが影響しています。脊柱管狭窄症の場合、見えない症状でもあるので、大きな症状が出てこないような場合、治っているのか治っていないのかがわかりづらくなってしまうこともあるかもしれません。そうなると、自分の現状に苛立ちを覚えてしまったり、またどんどんモチベーションが下がってしまうこともあります。
ただ実感が持てなくなったということはそれだけ治ってきているという証拠でもあるので、やはり待つことが大切になることもあります。
ここで判断が難しくなってくるのは、本当に効果がない場合と治ってきているかの境目をしっかりさせることです。難しいことですが、このあたりは専門家と相談しながら進めていくことがよいでしょう。
治療に焦りを持ってしまうと、それが違う意味での障害につながってしまうこともあります。これは脊椎管狭窄症にのみ限ったものではありませんが、当然脊柱管狭窄賞にも当てはまってくるといえるでしょう。あせりは勘違いを生んでしまうこともあり。治ったと思い込んでしまうこともあります。そのためそのあたりに気をつけておかないと、治らない状態で非常に厳しい動きをしてしまったりなどがあり、大きな症状につながってしまうこともあるといえます。こうなってしまうと完治までの道のりは予想以上に遠のいてしまうといってもよいでしょう。気をつけなければいけないことになります。治療期間がある程度の長さである場合、治療そのものにかかる時間もありますが、それ以上にしっかりとした準備や、慣れを生じさせるための時間になっている場合もあります。そのため最初から最後までしっかりと取り組んでいくことが大切になります。
それが一番の治療にもなっていくでしょう。
脊柱管狭窄症になってしまうとそれだけすぐに完治させたいという気持ちがわいてきてしまうこともあるかもしれません。しかしあまりにあせってしまっては逆効果になってしまうことも多く、当然治りも悪くなってしまうと言えるでしょう。そのため脊柱管狭窄賞とうまく付き合っていくためには治療に関する正しい知識とそして、あせらない気持ちが大切といえるでしょう。人の体が短期間に劇的に変わってしまうことはよいこともありますが、多くの場合悪い影響もともにもってきてしまうことが多いです。また仮に治ったとしても短期的な治療の場合であると癖が残っており、悪い姿勢が改善しない状態でとどまってしまうこともあるといえるでしょう。そのためしっかりとした治療を気長に行っていくことで本当の意味での治療ができていくことになります。
もちろん痛みなどが我慢できないようであれば、それにあわせて、しっかりとした治療をしていく必要はあるといえるでしょう。
脊柱管狭窄症と診断されて通院治療を続けているけれど、思うように症状が改善しないため不安になり、病院を変えたほうが良いのではないかと考えることがあると思います。
保存療法で症状が改善しない場合は、手術治療が行われるわけですが、体にメスを入れるとなると、この分野でいわゆる名医と言われている医師に執刀してもらいたいと思うのは当然の事でしょう。
脊柱管狭窄症の名医と呼ばれる医師の数は意外に多く、病院も全国各地にあります。
実際に名医に直接執刀してもらうとなるとなかなか大変でしょうが、病院であれば整形外科や腰痛に強い病院ということになります。
インターネットなどで脊柱管狭窄症の名医の名前や病院を紹介していますので、参考にするといいでしょう。
脊柱管狭窄症をはじめとする坐骨神経痛の分野で有名な医師というと、タレントのみのもんた氏の腰部脊柱管狭窄症の手術を担当したことでも知られている福井康之氏がまず思い出されます。
福井康之氏は、国内だけでなく海外からも治療を希望する方が訪れる、日本を代表する脊椎脊髄外科の権威です。
福井康之氏は、国際医療福祉大付属三田病院に勤務していますが、腰痛に関する一般患者向けの書籍(『お尻から脚が痛い「坐骨神経痛」の治療法 元気に歩けるようになる!』日本法制学会)も出されていますので、まず本を読んで福井康之氏の腰痛に関する考え方を知るのも良いかと思います。
まだ数は少ないものの、骨髄減圧術の治療が日帰りで受けられる病院もあります。
また、ペインクリニック認定医による神経ブロックを中心とした、腰痛治療が受けられる病院は今ではかなり多くなっています。
手術をしないで脊柱管狭窄症を治したいと希望する方は、こうしたペインクリニックを治療先として検討してみるのも必要だと云えます。
腰痛に限らず、歳をとってくると体のあちらこちらに不具合が生じたり、疲労感がなかなか抜けなったり、力が入らなかったり弱くなったりと、何らかの老化症状が表れてきます。
しかし、これを全て年齢のせいにしてしまい、病院での診断を先送りにしてしまうと、それらの症状の裏に重篤な疾病が隠れていて、さらに悪化する場合もありますから気をつけなければなりません。
腰部脊柱管狭窄症を原因とする坐骨神経痛も加齢によることが多く、50歳以上の人に多い疾患であることは確かです。
椎間板の水分の減少による脊柱管の変形・変性、脊柱管の骨がもろくなり周りの靱帯が厚くなるなど、年齢を重ねることにより脊柱管が狭窄することは否めず、脊柱管の老化や狭窄症が原因で背中が丸くなっているお年寄りを見かけることも多いと思います。
しかし、先天的に脊柱管が狭い人は脊椎の変形が起こりやすく、靱帯も厚くなりやすいため、30代でも腰部脊柱管狭窄症を発症する人もいます。
坐骨神経痛などの痛みは、脊柱管の変形で脊柱管の中の神経根や脊髄神経を圧迫して炎症を来たすために起こるもので、腰部脊柱管狭窄症の症状のある人が、必ず坐骨神経痛の痛みやしびれを発症するとは限りません。
坐骨神経痛の原因が腰部脊柱管狭窄症である場合は、体操やストレッチで痛みやしびれの症状が改善されることがあります。
ただし、高齢になると筋肉の働きが弱く、骨ももろくなっている場合があるので、無理に運動をすると、かえって症状を悪化させることになります。
自分勝手な判断で体操やストレッチをしてはいけません。
医師の指導の下、適切な方法でストレッチや体操をするようにしましょう。
また、1週間ごとに状態を確認しながら、無理をしないで続けることが重要です。
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